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『岩永マキ物語』 養成修道院
2023-09-13
カテゴリ:行事,修道会の活動
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7月23日(日)、浦上教会で行われた『岩永マキ物語』を観る機会に恵まれました。
『旅の終わり150周年記念行事』として南山、純心、海星、長崎北、創成館高校の演劇部の皆さんが演じるとのこと、とても楽しみにしていました。
私たちがよく知っている岩永マキのエピソード、例えば鶴島で1食分では満腹にならないので3食分を一度に食べて2食を我慢した話、式見の魚売りに値切る若い姉妹たちを叱った話、東洋日の出新聞の取材などが盛り込まれていました。
浦上教会には、信徒の方だけでなく高校生の家族や友人もたくさん集まっていました。その方たちも、私たちと同じ場面で涙ぐみ、うなずいておられました。私たちがよく知っているマキの物語が、この方々の心にどのように響いているのだろうか、神さまの愛といつくしみが、この方々に豊かに注がれますように、と祈らずにはいられませんでした。
一番印象に残ったのは、高校生が演じる若々しいマキの姿です。信徒発見の時には16歳、岡山に流配された時には20歳だったマキが、今この場にいるような錯覚を覚えました。あぁ、マキはこんな風に笑ったり、弟妹を励ましたり、悩んだり、苦しんだり、仲間と助けあったり、分かち合ったりしたのかな、と感じることができました。そして、マキと一緒に怒ったり、泣いたり、心を揺さぶられる自分がいました。
創立者ではないけれど、修道会の歴史の中で一番有名な会員、社会的には偉人と言われる岩永マキ。実際そうなのですが、それはマキがなろうとしてなったのではなく、いと小さきものの上に注がれる神の栄光の現れなのだと思います。マリアの賛歌(Magnificat)が思い出されます。
「わたしの魂は主をあがめ、
わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。
身分の低い、この主のはしためにも
目を留めてくださったからです。
今から後、いつの世の人も
わたしを幸いな者と言うでしょう、
力ある方が、
わたしに偉大なことをなさいましたから。」
ルカ1章47~49節
劇の最後の方で、岩永マキの人生が蚕に重ねられました。幾つもの脱皮を繰り返して最後に絹糸を残す蚕。迫害、旅、伝染病…、いくつもの苦しみを